1970年代にスタジアムクラスのバンドで使用されていたワイヤレス・システム Schaffer-Vega Diversity System。当時の脆弱な無線方式による信号伝達で痩せてしまったサウンドを生き戻らせるために、開発者の Ken Schaffer はレシーバー部分に独自のブースター回路を搭載しました。

その独特のサウンドは、AC/DC, KISS, Van Halen, Pink Floyd, Rolling Stones, Frank Zappa, Peter Frampton など錚々たるビッグネームに愛され、なかでも Pink Floyd (The Wall) や AC/DC (1978年のPower Age 以降の全盛期の数多くのアルバム) はスタジオ録音にもそのシステムを採用し、ロックギターの代表的なサウンドを歴史に刻むことになりました。

熱烈な AC/DC ファンであった Fil “SoloDallas” Olivieri は Angus Young と全く同年代の Gibson SG、Marshall Amp を買い揃えそのサウンドを追求していましたが、常に最後の鍵が足りないと感じていました。ある日、古い音楽雑誌のインタビューで Angus Young がスタジオでも "Schaffer-Vega Diversity System” を使用していたことを知ると、開発者の Ken Schaffer に連絡を取りすでに生産完了になっていたそのシステムを入手し、彼の理想としていた「あの時代の」Angus Young のサウンドの再現に成功したのです。

今日、オリジナル開発者の Ken Schaffer の協力のもと Fil “SoloDallas” Olivieri が製品化したSoloDallas の製品は、ブースター回路のみを除き出し現代のサウンドにマッチさせたギター/ベース用のエフェクターとして Angus Young 本人はもちろん、世界中のトップ・プレイヤーを魅了しています。独自のコンパンド回路によるリミッター効果とローミッドを特徴的なカーブでブーストしたそのサウンドは一般的なクリーンブースターとは異なり、エンハンサーまたはバイタライザーとも評されています。